MCP(Model Context Protocol)は、単なる「連携機能」ではありません。DMARCeyeのデータを、ふだんの言葉で扱えるようにする、まったく新しいインターフェースです。
最初のMCP発表記事では、「DMARCデータをLLMに持ち込み、質問するだけで次のアクションに変える」という大きなコンセプトを中心に紹介しました。本記事ではさらに踏み込み、MCPを有効にしたあとに、実際に何ができるのかを具体的なユースケースで解説します。
DMARCeyeアプリには、get-account-report や get-domain-source-report のような名前の「対応ツール(tools)」が一覧で表示されます。これは、AIアシスタントがDMARCeyeからデータを取得するために使う “道具” です。
イメージとしては、これらは安全に定義された、あらかじめ用意されたデータ操作です。
重要ポイント:これらのツールは裏側で動くものです。 あなたは自然言語で質問するだけで、AIアシスタントが必要なツールを選んで呼び出し、答えを組み立てます。
これが、MCPがDMARCで強力な理由です。「データはあるけど、次に何をすべきか分からない」というギャップを埋めてくれます。レポート画面を行ったり来たりする代わりに、「知りたい結論」を伝えるだけで、アシスタントがDMARCeyeの文脈を引き出して、判断に必要な材料をそろえてくれます。
深掘り調査が必要なときばかりではありません。週次チェック、経営層向けの報告、あるいは「改善している?」「何か変わった?」のような軽い確認には、アカウント全体のスナップショットが最適です。
代表的な使い方は次のとおりです。
裏側では、get-account-report、list-domains-overview、get-report-preview のようなツールで、必要な情報を引き出します。
プロンプト例:
見慣れない送信元が出てきた、失敗が急増した、なりすましが疑われる。そんなときは、できるだけ早く、でも生データに溺れずに深掘りしたいはずです。MCPが便利なのは、会話しながら調査を誘導できる点にあります。追加質問を重ねていけば、状況がクリアになるまで整理し続けられます。
詳細分析でよくある流れ:
こうした調査は通常、get-domain-report、get-domain-source-report、get-domain-ip-report のようなツールで支えられます。
プロンプト例:
メリットは速さだけではなく、分かりやすさです。DMARCのシグナルを自分で翻訳して手順に落とすのではなく、「診断」と「次の打ち手」を、DMARCeyeが観測している実データに基づいて引き出せます。
いつでもフル調査が必要なわけではありません。「先月はどうだった?」「会議まで5分。きれいな要約がほしい」といった、読み取り専用のスナップショットが欲しい場面も多いはずです。
クイックレポートの典型:
これは主に get-report-preview で動きます(必要に応じて、アカウント/ドメイン系ツールと組み合わせて文脈を追加できます)。
プロンプト例:
MCPは分析だけのものではありません。アラートやブラックリスト監視に依存している運用では、「何が有効になっているか」「何を追跡しているか」「今の状態はどうか」を会話で確認できるのは大きな助けになります。
監視系のワークフロー例:
裏側では、list-alert-settings、list-report-settings、list-blacklist-overview のようなツールが使われます。
プロンプト例:
DMARCは、いつまでも一人で管理し続けるものではありません。ドメインはチーム間で移動し、代理店は複数クライアントを支援し、社内の関係者には「DMARC用語」ではない説明が求められます。
チームとアクセスのワークフロー:
これらは主に list-user-teams と list-team-users に対応します。さらに send-user-email というツールもあります。これは、認証されたユーザーのメールアドレスに対して内容を送信できるものです。実運用では「チャットで要約を作る → 自分宛にメールで送って記録/転送する」という、かなり実用的な流れになります。
プロンプト例:
MCPの中でも特に実用的なのが、「DMARCレポートを共有できる更新に変える」ワークフローです。データを書き出して、手で要約を書いて…という作業をせずに、DMARCeyeのレポートをもとに、関係者向けのメール文面を作らせることができます。
たとえば、次のように依頼できます。
DMARCeye MCPは、関連するレポートデータを引き出し、何が変わったのか、何がリスクか(新しい送信元や失敗スパイクなど)をまとめ、推奨する次の手順を明確にしたうえで文章化できます。DMARCダッシュボードを読ませずに、IT・セキュリティ・マーケティングの足並みをそろえたいときに便利です。
なお、DMARCeyeでは安全性のため、メール送信機能は意図的に範囲を絞っています。アシスタントが送れるのは認証されたユーザー自身のメールアドレスのみです。つまり、自分宛に送って記録として残したり、必要に応じて転送したりする用途に向いています。
ベースができたら、あとは改善していけます。たとえば:
最大のメリットは継続性です。DMARCレポーティングが「面倒な作業」ではなく、シンプルな習慣になります。質問すれば、アシスタントがDMARCeyeのデータを取得し、共有できる要約と次のステップを返してくれます。
MCPは、土台となるDMARCデータが「きれいで」「継続的に収集され」「意思決定に使える形で整理されている」ことが前提になります。DMARCeyeが目指しているのはまさにそこです。生の集計レポート(aggregate reports)を、信頼できる可視化に変え、そこから迷いなく行動できるようにします。
DMARCeye MCP Serverは、そのワークフローをAIアシスタントの中に拡張します。ダッシュボードやエクスポートを行き来する代わりに、欲しい結果を伝えれば、アシスタントがDMARCeyeの適切な文脈を引き出して答えを支えます。
次のステップは? DMARCeyeアカウントでMCP Serverを有効化(Account Settings → MCP Server)し、本記事のプロンプト例をいくつか試してみてください。DMARCeyeが初めての方は、フル機能の無料トライアルから始められます。